PI金属探知機の「空振り」診断

音が鳴るのに、何も見つからない?

フィリピンのような場所でPI金属探知機を使用すると、ターゲットがないのに強い信号が出ることがよくあります。このアプリケーションは、その現象の主な原因を分析し、より効果的な探査のための解決策を探ります。

「空振り」の主な原因は?

フィリピンの土壌は、火山活動の影響でミネラルを非常に多く含んでいます。これが、PI探知機が反応する最大の原因です。以下のグラフは、一般的な原因の可能性の高さを示しています。

土壌の鉱物化 (ミネラリゼーション)

フィリピンの土壌、特に黒砂(マグネタイト)や赤土(鉄分)は、金属のように振る舞い、探知機に強い信号を送ります。これは「ホットロック」や広範囲の鉱物化として現れます。

PI探知機はVLF探知機よりも鉱物化に強いですが、フィリピンのような極端な環境では限界があります。探知機は土壌自体を一つの大きな金属ターゲットとして認識してしまうことがあります。

探知機の信号イメージ

通常の土壌

磁場は乱れず、信号は安定

鉱物化した土壌(フィリピン)

磁場が全体的に乱れ、誤信号が発生

探知機の設定は適切ですか?

不適切な設定は、鉱物化した土壌での問題をさらに悪化させます。特に「感度」と「グラウンドバランス」が重要です。スライダーを動かして、設定がどのように影響するかを体験してみてください。

感度: 85%

高い感度は小さなターゲットを見つけるのに役立ちますが、鉱物化した土壌ではノイズを拾いすぎて誤信号が多発します。

バランス調整: 50%

グラウンドバランスが不適切だと、探知機は土壌のミネラルを無視できず、常に信号を発するようになります。

解決策とベストプラクティス

「空振り」を減らし、本物のターゲットを見つける確率を上げるための実践的なテクニックを紹介します。

1. 感度を下げる

最も簡単で効果的な方法です。感度を少し下げるだけで、土壌からの偽信号が劇的に減少することがあります。安定した動作が得られるレベルまで調整しましょう。

2. 正確なグラウンドバランス

探査を始める前と、土の色が変わるたびに必ずグラウンドバランスを取り直してください。多くのPI探知機には自動追尾機能がありますが、手動での調整が有効な場合もあります。

3. コイルを地面から少し離す

コイルを地面から5〜10cm程度浮かせてスイングすることで、地表近くのミネラルの影響を軽減できます。ただし、深部のターゲットに対する感度は若干低下します。

4. スイングスピードを遅くする

ゆっくりとした安定したスイングは、探知機が信号を正確に処理するのに役立ちます。速すぎるスイングは誤信号の原因になります。

5. 小さなコイルを使う

大きなコイルは広範囲を深く探れますが、一度に多くの土壌をスキャンするため、鉱物化の影響を受けやすくなります。小さなコイルはよりピンポイントで、偽信号を減らすのに役立ちます。

6. ピンポインターを活用する

掘り出した土の中に小さな金属片(マイクロトラッシュ)が隠れている場合があります。強い信号が出た場所を掘った後は、必ずピンポインターで土の中や穴の壁を確認しましょう。